この本は、何十年も前に読んだものだが、そのときの衝撃がまだ忘れられない。
ルワンダの中央銀行総裁として1965年にIMFから任命されたときの同国での体験を綴る。ルワンダに着いた時の飛行場の写真など、驚かされるものがあった。またルワンダ人が決して「無能」ではないことを、信念を持って綴っていて、その迫力に圧倒される。
当時のルワンダでは、国民生活向上を目指してはいたが、上手く行っているとはいい難い状況であった。旧宗主国であるベルギー人をはじめとする欧米人は、ルワンダ人の性格に問題があるのだとし、ルワンダ人から搾取する仕組みを当然としていた。
著者は、IMFや日銀での知見を元に、問題は「仕組み」にあり、その「仕組み」を整備すれば経済は成長すると考え、制度設計を行い、実行していった。
反対派であった、大統領や大蔵大臣まで説得し、信念を実現させルワンダ経済の土台を作っていったのである。
こうした知見は、日本の戦後復興を成し遂げた日銀での経験から来ているのだろう。
是非とも、後の世代にも残したい一冊である。
アマゾンのレビューは1000件越え。
そして好意的なものが多い。
私だけでなく、多くの人が、好意的に捉えたというところが確認できて、安堵した。
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