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【読書日記】プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 杉山智一

香港に滞在していたときに、安宿で知り合った日本人が、投資で資金を増やしていると発言していた。香港に来たのも、銀行口座を開くためという。

「俺にお金を預けてくれれば、増やしてあげますよ」と提案されたが、曖昧な返事しかできなかった。

「具体的にどうするんですか?株ですか、債券ですか」と問うてみたが、具体的な方法は教えてくれなかった・・・

遥か昔の、そんな出来事を思い出した。

 

・・・勘で手に取ってみたが、この本も当たりだった。

プライベートバンカーがどういうものか、そして杉山さんの生き様がよく分かる。

 

一点、強調しておきたいのは、自分がもしも大金持ちだったとしても、ここに紹介されている方法は取らないだろう。つまり、この本は、読み物(物語)や情報としては、極めて面白いが、実践としては、一部の(条件が適した)人だけがトライする方法なのではというのが感想だ。

ハイイールド債(信用格付けは低いが、利回りが高い)に多額の資金を(分散させて)突っ込んで、その運用益も合わせて、生命保険に入る。(主に相続税対策)

ハイイールド債、本書に説明がある通り、本当に破たんリスクがあるものは少ないし、ハイイールドでないリスク極小の債権でも、リスクゼロというのはありえないことを考えると、仕手化された一部の個別株に投資するよりは、遥かによいと感じられる。実際、自分も債権に投資したことはある。(利回り低かったが)

余談だが、1%以下の利回りでも、優良そうに見える債権は、あっというまに捌けてしまう事例があり、買うのは容易ではない。(東北電力社債とか)

 

話が戻るが、杉山さんの生き様を一部追体験ができて、実に刺激的な本だった。この行き方、自分にはとても真似のできないことだ。顧客が杉山さんに付いて来るのもよく分かる。精力的かつ、信用できそうな人柄が滲み出ている。繰り返しになるが、私が大金持ちでも、ここに書いてある方法は取らないだろう。諦めて税金を払う方になる。

もし資金があれば、自分の場合は、高配当銘柄、優良だが利回り低い社債国債、利率高めのネット銀行ぐらいで、細々と運用することになるだろう。

 

マネー本には、当たり外れがあるような気がするが、この本は、私にとっては「当たり」で、多くの知見が得られた。しかし(自分の環境では)実践には向かない。実践に活かそうと思って読んだ訳ではないので、「知見を得る」「物語を楽しむ」という目的は達成された。