中国については、基本的な知識はあるつもりで、何度か旅行もしたことがあるから、イメージはそれなりに付く。だが、この本の「暗さ」のようなものが、絶えず付きまとってくるようで、あまり好きになれなかった。
「消えた一ヶ月」(二十八日)を探す旅、そこに現代中国の「闇」のようなものを散りばめ、複数の伏線が張り巡らされている。前半は、村上春樹を思わせるような内容が見られた。そして政治的に「微妙な」内容が多く含まれている。この内容だと、中国では出版ができるのかと危ぶむところだ。
最後まで読んでみると、その壮大さには、驚くばかりだが、ストーリーの運びが、重たく、疲労感が多かった。最後まで皮肉(あるいは反語と言ってもよいが)が効いており、恐怖のようなものを感じながら読み進めた。
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