「勇み足」的な記述もあるように感じたが、意欲作であることは間違いないだろう。
天智天皇(中大兄皇子)、天武天皇(大海人皇子)、持統天皇、蘇我氏、秦氏などの渡来系豪族の動向を「古事記」「日本書紀」を軸に解きほぐす。
半島の動向も、百済、新羅、伽耶、高句麗、それに唐など、複雑であり、その関係が日本の政治にも大きな影響を与えていた。「古事記」と「日本書紀」、一見矛盾にも思える、その記述内容がどうして発生したのか。そういうことを丁寧に説明している。
個人的には、完全に同意はできなかったが、壬申の乱前後の出来事を整理できたのは有意義であった。