何度も読んでいる良書。
話の運びも巧いし、記述も明快で分かりやすい。
「海賊」と「海軍」が紙一重、あるいは表裏一体。
というのが、この本のコンセプトだろうか。
ヘロドトスは海賊を英雄とした。
だが、キケロは「人類の敵」とした。
レパントの海戦(スペインvs.オスマン)では、海賊が戦闘の主役を担った。
カリブ海のバッカニア海賊が大英帝国のカリブ政策を支え、19世紀には、地中海の海賊は、欧米の覇権主義で滅び、アフリカ諸国が「植民地化」されていく。
目まぐるしく動く海賊の世界史(西洋史)を巧みに記述する。