3万ペソで楽しく暮らす

住居費以外を3万ペソ(60万円)で楽しく暮らす。エンジニアのブログ。

音が煩い室外機を見ていて考えること(メイドインジャパンが消えていく理由を考える)

通勤途中で、不可解な体験がある。

 

あまり「馴染みが無い騒音」を住宅街で遭遇するのだ。

音が出るところを探ってみると、エアコンの室外機である。

 

「通常の室外機」に比べて、音が煩い。

煩いだけではなく、不快な音なのである。

 

そのエアコンは、東アジア某国の製造メーカである。

 

自分の部屋の隣で、こんな音を出されたら、苦痛で眠られないだろから、まずは自分の部屋の隣ではなくよかったと思うべきなのだろう。これを購入した人は、おそらく値段の安さに惹かれたのだろうが、こういう製品を見ていると、あるメーカの製品を思い出す。

 

それは、東アジアの新興メーカで、私の部署に売り込みに来た製品である。

「試作品を渡すから評価してみて」

というのだが、その評価結果を見て驚く。

 

仕様が決まっているのだが、結果が悉く「仕様の一番悪い数値ギリギリ」なのである。

日本のメーカであれば、騒音の仕様xx~yydBと規定があれば、それを下回る数値で作り上げる。

十分すぎる程のマージンである。

 

ところが、騒音の仕様には入っているが、「一番悪い数値ギリギリ」である。騒音だけでなく、消費電力や、重量その他多くの仕様が、ことごとく「一番悪い数値ギリギリ」なのだった。

 

そうやって、コストを下げているのだ。

それなら安くできる。

 

だが、仕様は満足しているから、「何も悪いことはしていない」。

ある意味、非常に優秀でもある。

 

企業が負担する社会保険料や税金も日本より低いと思われるから、そんな設計をされたら価格では勝つことができない。

 

そして、敗れた日本メーカが、(仮の話だが)三洋電機、シャープ、東芝のようになってしまうとしたら、完全に戦略負けである。今よりも酷い、奴隷のような労働環境がいつまでも続く訳だ。いや、逆に今よりも良くなるのか。それは分からない。

 

グローバル化」というのは、苛酷なもので、これから日本は、世界に合わせた貧困化が進むのではないかと危惧している。それは、こういう小さいことが積み上がって、ある日気が付いても、もう二度と取り返しは付かないものになりそうだ。