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LED懐中電灯を修理する

買った時から不調だった懐中電灯。

 

これ、1.5Vの単三乾電池一本で駆動する優れものなのだが、スイッチの接触が悪いようだった。ある時、完全に点灯しなくなったので、修理をしてみた。

 

私の職業はエンジニアであり、電気回路設計を主担当としているが、LED絡みの回路は全く経験なし。完全な素人である。そこで、ネットで調べながら修理を進める。

 

下記の順番で進めたい。

①回路構成の把握

②被疑個所の特定

③被疑個所の修正(修理)

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①回路構成の把握

1.5V乾電池一本というところから、昇圧チョッパ回路的なものを使っているのではないかと想定。トランジスタにLC回路組み合わせた回路である。スイッチング動作をしているはずだ。

まずは、懐中電灯筐体内部を観察した。マイクロインダクタL(カラーコードを読むと47uH、黄紫黒)そして、トランジスタっぽい部品は、刻印を読むと「YX8115」である。パッと見、昇圧チョッパ回路に類似している。

ネットで検索したところ「ドライバーYX8115」というのがヒットした。このドライバーは、おそらく、トランジスタ回路で構成されていて、LEDドライバーとして供給されているものだ。

そのデータシートも入手できた。マイクロインダクタの例も47uHとなっているではないか。つまり、回路構成の把握は完了したことになる。

 

②被疑個所の特定

ケーブルが一本外れているから、ここは修正が必要である。先に調べたドライバーの回路図があるので、その回路図通りに修正し、半田付けする。それでも点灯しない。怪しそうなのは、どう見てもスイッチである。スイッチを迂回した接続をしてみる。

点灯した。

 

ここで切り分け調査が終了。スイッチが不調であると被疑箇所が特定できた。

スイッチを分解してみた。

中にはバネ性の金属板が入っており、この形状が不調(曲げが足りない)ため、接触点が甘くなっていた。

 

③被疑個所の修正(修理)

ラジオペンチで「金属板を修正」する。うん、いい感じだ。ばらしたスイッチを組み立てる。ここまでは問題なし。そのスイッチを筐体側に取り付けるときが難儀した。プラスチックを溶かして、溶接のようにしている。スイッチをバラすときに、そのプラスチックは削ってしまったから、対処が必要だ。

「アロンアルファで接着すればいいか」と安易に考えたのが誤りだった。一旦、アロンアルファで接着する。うん、いい感じだ。治った。完全に治った。接触不良も治り、LEDが点灯するようになった。

しかし、10分後に暗転。

アロンアルファが多すぎて、スイッチの可動部まで固定されてしまった(笑)。

ということで失敗。

 

少し考えて、こんなショボいスイッチはやめにして、手もとにあったジャンク品のスイッチに交換しようと決意する。筐体側をヤスリでガリガリと削る。ガリガリと。

そうすると、手持ちのスイッチがちょうどピッタリ嵌る穴形状になったではないか!スイッチをグイグイ押してみると、パチンと嵌った。ピッタリだ。

最後に、隙間にアロンアルファ(笑)を充填したのだった。これで修理OK。見た目も、黒で統一されて、美しい。

 

壊れた懐中電灯

接触が悪いスイッチを交換する