またまた関裕二氏の本である。
視点が面白く、話の運びも巧いので楽しく読んでいる。
いわゆる古代(のうちの、古墳時代から奈良時代あたり)については、手軽に読める書物も少なく、私にとっては、あまり馴染みが無い時代であった。
古墳、神社、寺院などが好きで、奈良にも何度か足を運んだこともあり、それより、はるか昔から古代には興味があった。
最近は、発掘調査の結果などから、いろいろなことが分かってきた。
また多くの研究者の精力的な研究成果も、古代史の謎を解き明かしてきた。
「大化の改新」として歴史の授業で習ったのが、645年の蘇我入鹿の暗殺。
それは、乙巳の変(いっしのへん)などという。
そのときに「活躍」したのが中大兄皇子と中臣鎌足であり、二人ともその後の日本史に大きな影響を与えている。
しかし関裕二氏は、「常識」として、知られている内容に意義を唱えるのだ。
詳細は、関氏の本を参照頂ければと思うが、
この本は、古墳時代から奈良時代あたりの12氏族について、神社を軸にして語っている。古代史にあまり詳しくない私でも、興味深く読むことができた。
しかしながら、大胆な仮説と言えばいいのか、興味をひく記述内容である。
面白く書きすぎているような気がするので、どこまで信じて良いのか分からないが「仮説」は「仮説」だとしても、思考する上で大変面白い。