3万ペソで楽しく暮らす

住居費以外を3万ペソ(60万円)で楽しく暮らす。エンジニアのブログ。

イヤホンを使用して長財布を落とす

銀行店舗のATMで現金を引き出したら、「新紙幣」が出てきた。

いわゆる渋沢栄一である。

 

そのデザインは、ユーロ紙幣を連想させた。

数字が大きく書かれて、認識しやすくなった一方、軽い感じが否めない。

 

私は次の目的地のドラッグストアに向かった。

 

炎天下。

陽射しが鬼のように熱い。

 

交差点で車椅子の人を見た。

その人は、信号待ちのため、ピタッと止まった。

 

その瞬間、ドサッと、何かが落ちるのが見えた。

近寄るとそれは長財布である。

 

落ちた衝撃で、パラッと開いてしまい、

千円札やクレジットカードなどが見える。

 

私は、驚いて、こう言う。

「落ちましたよ!」

 

反応が何もない。

聞こえていないのだ。

 

ふと耳元を見ると、イヤホンをしている。

そう、音楽などを聴いているのだ。

だから財布が落ちた音にも気が付かないのだろう。

 

私は、その人の前面に回り込み、

「財布が落ちました」

と指で示す。

 

「え?あ?マジ?」というような声を上げて、その人は車椅子の下を見る。

「え!やべっ!」という声も上がった。

 

その人はパニックになったようで、私に礼は言わず、

「やべー、やべー」と繰り返していた。

 

ショルダーバッグのチャックを閉め忘れていて、

交差点で止まった衝撃で、長財布が落ちたようだ。

 

イヤホン。

恐ろしいことだ。

財布が落ちた音も聞こえないのだ。

 

 


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