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住居費以外を3万ペソ(60万円)で楽しく暮らす。エンジニアのブログ。

「さようなら幼稚園の歌」とプルーストのこと

卒園の季節だから、だろうか。

 

幼稚園児が、親の携帯を使って

「さようなら幼稚園」の歌を聴いているのを目撃した。

 

その歌を聴いた時に、脳裏に記憶が甦って来た。

 

次々と、次々と・・・

 

卒園のときは、

幼稚園の「新館」二階の大教室の舞台で、

「一年生になったら友達が100人できるだろうか?」

というような歌を歌い、

「100人も友達が本当に出来るのだろうか?」

と心から心配していた自分がいた。

 

そして、悲しい思い出も甦る。

 

同じ幼稚園に通う女の子が、井戸に落ちて亡くなったのだ。

 

井戸に蓋をしていたのだが、

その蓋の上で遊んでいて蓋が壊れて落ちたということだ。

 

「井戸」と言うものが、どういうものか知らなかったが、

整列した園児の前で、先生から、そのような報告がなされた。

 

「もうあの子には会えないのだ」

ということが強烈に焼き付けられた。

 

それから・・・

  • 「逆上がり」の練習をしていて、鉄棒から落ちたこと。
  • 園庭で飼われていた小鳥のこと。
  • 運動会で駆けたこと。
  • 夏の映画上映会のこと。
  • 園からの帰り「狐の嫁入り」にあったこと。
  • お泊り会で「タオルケット」を使って寝たこと。
  • 毎月一回、幼稚園で貰える絵本が楽しみだったこと。

ここに書き切れないぐらいの多くの思い出が甦ってきたのだ。

 

プルースト効果」は、

紅茶に浸したマドレーヌの香を嗅いだ時に、過去の記憶が甦ることだから、

本来は音楽とは関係ないのかもしれない。

 

だが、その音楽を切っ掛けにして、過去の記憶が甦ることが、

「まるでプルースト」だと考えたのだった。

 

自分は、「ある楽器」を習っていたから、

音楽の方が(匂いよりも)心に残りやすいのかもしれない。

 

それはともかく、恐ろしいほどの記憶が甦ってしまい、

「もう戻れない過去」が、何とも愛おしく感じられたのだった・・・

 

そして、今この瞬間ですらも、「過去」になってしまうのだ。

ということを、強烈に意識されたのだった。