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【読書日記】人生はそれでも続く 読売新聞社会部「あれから」取材班

興味深く読めた本。

 

過去ニュースとなった、当事者に改めて話を聞き、「その後」を取材した。

新聞掲載で大きな反響を受けた内容を本にしたものである。

 

この本には、全部で22の話題が記述されている。その一つ一つが、過去に話題となった事例を、後になって、改めて取材し直したものだ。

印象的な話としては以下がある。

  • 「この野郎、ぶっ殺すぞ」と恫喝して、「自白強要」をした元検事
  • プロレスの試合で対戦相手が死亡してしまったレスラー
  • 家族三人を殺害された熊谷殺人事件の被害者

 

他にも、心に刺さるような凄まじい話が多いのだが、圧倒的なのは元検事だ。

表に出ていないだけで、「自白強要」によって「犯罪者」とされてしまった人も多いのではないか。「正義の味方」によって、現在も断罪されている人が、無実である可能性も否定できない。それを考えると、心の底から恐怖を感じた。

 

人は過る。

誤った判断で、多くの人が苦しみ、それが今でも続いている。

そういう事例は、数知れないと考える。

もちろん、その逆の事例もあるだろう。

 

そういう恐ろしさを、心の底から味わえた本である。

 

ただし、読んでいて感じたのは、もっともっと深堀しても良かったのではという「感想」だ。紙面の都合で、そこまでは書けなかったのかもしれないが、「物足りなさ」は残った。