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【読書日記】物語 チベットの歴史 石濱裕美子

歴史の本を読むのが好きなのだが、この本は悲惨であり、読むのに疲れ果てた。

チベットやシッキム、いわゆるウイグル内モンゴルブータンなど、絶滅した国・絶滅しそうな国の歴史は物悲しい。文化や言語、宗教、食生活を含めた多くのもの・・・そこに生きている人の「よりどころ」とする多くのものが破壊されるのは耐え難い。ある意味、歴史とは、そういう破壊の繰り返しなのかもしれないけれど。

それにしても「清朝の遺産」を有効活用した中国共産党の力は凄まじいものがある。「歴史」は未来を予想するためにも必要な知識だとは思うが、これから作られる歴史がどのようなものになるのか、恐怖を感じながら歴史を読む行為。あるいは、それこそが、「歴史」を学ぶ魅力なのかもしれないが、未だにそれに慣れることが無い。

チベットには、20年ぐらい前に入域したことがあり、当時は鉄道も無かったから、西寧からバス、そしてゴルムドという都市で、トラックに乗ってあの峠を越えていったのだ。2日ぐらいは掛かっただろうか。ラサ、シガツェを経由し、峠をトヨタ・ランドクルーザーで越えて、ネパールに入国。そこからヒッチハイクカトマンズまで行ったのだった。そのときの体験が、次々と甦ってくる。

トラックの運転手たち(漢民族)は元気でいるのか、ラサで泊まった「スノーランドホテル」は、まだあるのか。親切なチベット人の従業員は達者でいるのか。シガツェの街にいたチベット人の物乞いたちは、無事だろうか。

もう、旅も満足にできない境遇になってしまったが、この後、逢えることはあるのだろうか。

本を読んでいると、そんなことが次々と湧き上がってきて、身につまされる。