私の好みの本であると言える。
トルコ現代史を丁寧に、詳しく解説してくれる。
1923年のトルコ共和国建国以来の出来事を説明している。
トルコ共和国に留学経験もある著者の想いが詰まっているような本だ。
重厚で読み応えがあり、なかなか良い本だったという感想だ。
現代トルコの政治家と言えば、アタチェルク、エルドアンが知られていると思われる。
そして何度もあった軍事クーデターや、オザル首相など話題も多い。
オザル首相は忘れられない人もいるだろう。
イラン・イラク戦争時、イラクが民間機を含めた飛行機を撃墜すると発表し、イラン在住の外国人が脱出を始めた。
だが、日本人は、軍用機は勿論、民間のチャーター機も手配できなかった。そのときにトルコ航空機を派遣し、日本人を助けたのがオザル首相である。
トルコ人で初のノーベル賞受賞者である「オルハン・パムク」(2006年のノーベル文学賞)も忘れることができない。
また、エルドアンの「公正発展党」の歴史も興味深い。政治が安定しなかった現代トルコにおいて、長期政権を維持してきた理由とは。
そういう疑問も含めて、トルコ共和国を知るための格好の入門書である。
(楽天の書評も好意的なものが多い)