「非道の独裁者」というイメージもあるスターリン。
しかし「本当にそうだったのだろうか?」という視点で見てみると、もっと違ったモノが見えてくる。という内容の本。
だが私は読了後、やっぱり「非道の独裁者」に思えてならなかった。
それはそれとして、ゴリの少年時代から、ロシア革命、第一次世界大戦、第二次世界大戦そして、米ソ冷戦と、激動の時代をくぐり抜けてきたスターリンの人生が、よく分かる書物でもある。
個人的には、自分自身も訪れたことがあるゴリ(グルジア=ジョージア)の少年時代から神学校時代についてが、心に残った。
愛国的な詩を書く優等生的な少年から、札付きの反逆児への「転換」が非常に興味深いところである。何故そうなったかは、資料が少なく、詳しくは書かれていない。
それにしても、ソ連だけではなく、全世界に大きな影響を与えたという意味で、(よい意味でも、悪い意味でも)とんでもない人だったのだ。スターリンという人は。