(10年以上前の話・・・他の海外ネタも同様)
ブルガリアでは、「犯罪」にも遭ってしまい大変な思いをしたことがあるが、
その食事と、人々の素朴な親切さは、心に残るものがある。
泊まった宿の近くにあったのが、ブルガリア料理の店。
この店は、閉店前の時間、確か、午後8時ぐらいになると、残りものを半額で売り始める。
しかもその店は、作り置きの料理を並べてあるので、「現物」を見ながら選ぶことができる。
ブルガリア語(キリル文字っぽいもので書かれている)のメニューを見ながら考えるような店ではなく、庶民的な店であり、味も良かったので、私のお気に入りの店となった。数百円でちょっとした食事ができるのだ。
資金が乏しかった私は、その店に何度も足を運んだのだった。
夜。
閉店間になると、地元の人を含めて、行列ができる。
半額になるのを待っているのだ。
ブルガリアは経済も、IT関連で回復基調とは言え、
まだまだ生活が苦しい人も多いようだ。
暖かい食事。
ブルガリア料理の味。
全てが「バラ色ではない」日々を思い出し、それが「心の棘」となって、食事の味と共に、「消えない記憶」になっているのだった。