村上世彰さんについては、マスコミでネガティブな印象による報道がなされているためか、良いイメージを持っていなかった。
だが、あまり知らないのに憶測だけで判断するのは賢明でないのでは、という理由もあって、本書を手に取ってみた。
内容としては、目新しさはないが、予想に反して、というか予想以上に常識的な内容であった。そして、若い人たちに対する村上氏の対応に、共感を覚えた箇所も複数ある。
高校生たちのレポートも楽しく読んだ。
本書に登場する高校生たちは、投資に興味があるということもあって、しっかりした考えを持っているのが印象的だった。ただ、「自分だったら、そういう投資はしないな」という内容もある。
また、「中の人」である私からみて、間違った考えで業界を見ている意見もあったが、マスコミの報道をよく研究しているのだろうなと考えた。
つまり、マスコミの印象操作が間違っている場合があると指摘したい。それは、報道の渦中にある業界で、労働者として苦労している人なら、よく分かって頂けるだろう。
予想に反して、好意的な「印象」を持ったのが本書であり、「憶測や、印象で物事を判断してはならない」ということを改めて感じた。
本書の内容とは逸脱するが、村上さんと対峙して会話をすれば、そのときもまた、印象が変わるだろうし、それを繰り返せば繰り返すだけ、印象が変わる。「印象」という曖昧なものを基に、判断をすると誤ることがある。という怖さがあるのだ。(心酔も「印象」だけでしない方がよいということを暗に言っている)
「印象」だけで判断してはならないというのは、投資に対しても言えることで、肝に銘じておく必要がある。
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